“現代の奇想画家”、佐藤直樹の作品集。原田マハ、宇川直宏との対談も収録【NADiffオススメBOOK】

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『秘境の東京、そこで生えている』佐藤直樹
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木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、佐藤直樹の『秘境の東京、そこで生えている』。東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)によるご紹介です。

■『秘境の東京、そこで生えている』佐藤直樹

長い間アートディレクター・デザイナーとして活動していた佐藤直樹。

彼は東日本大震災直前の2010年、2011年頃から、「絵を描く」ということを始める。本書は2017年4月30日から6月11日までアーツ千代田3331での個展の図録兼作品集だ。

展覧会会場では、畳一枚分の大きさのベニヤ板に木炭のみで描かれている植物たち
が、150メートルの壁を埋め尽くす規模で展示された。終着点がなく描き続けられる植物たちは、不気味なほどの存在感があり、力強い筆致は植物の生命力を余すところなく表現しているようでもあるが、愚直ともいえる描かれ方に不安な気持ちさえ掻き立てられる。街路樹や道端の雑草のように身近と感じていた植物がふと、顔色を変えてこちらに迫ってくるような、まさに「秘境の東京」と言える感覚を覚える。

佐藤が挿絵を描いていた新聞連載「リーチ先生」の作者原田マハや、宇川直宏との対談、円城塔、水沢勉による文章も見逃せない。

分類されることを拒み、アカデミックな文脈を離れて特異な個性を発する佐藤の絵画。彼の作品を見ていると「現代の奇想画家」という言葉が自然と浮かぶ。


現在、Bunkamuraザ・ミュージアムでは、「ベルギー奇想の系譜」展が開催中。佐藤は日本の奇想画家だが、西洋の奇想作家たちの展覧会だ。絵画だけでなく、版画・彫刻でベルギーの500年の「奇想」を辿る本展も合わせて是非ご覧いただきたい。

【書籍情報】
『秘境の東京、そこで生えている』
著者:佐藤直樹
出版社:東京キララ社
ソフトカバー/159ページ/B5変
言語:日本語
発刊:2017年5月
価格:3,800円

【展覧会情報】
「ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1地下1階
会期:7月15日~9月24日 ※7月18・8月22日は休館
時間:10:00~18:00(金・土曜日は21:00まで、入場は閉館の30分前まで)
料金:一般1,500円(1,300円)、大学・高校生1,000円(800円)、中学・小学生 700円(500円)
※( )内は20名以上の団体料金、前売料金。
※障害者手帳のご提示で割引料金あり、詳細は窓口にて。

《NADiff》

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