第91回装苑賞にタイ出身のアピチャート・ナランシャー、手編みの構造美を評価

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第91回装苑賞の公開審査会が6月13日、東京・代々木の文化学園遠藤記念館大ホールで行われ、タイ出身のアピチャート・ナランシャーが装苑賞を受賞した。

選ばれたのはニットやラメ入りの糸などの異素材を手作業で編んだドレス。美しさや構造、完成度などが評価された。今年文化服装大学院大学を卒業し、現在は文化服装大学院大学で教員の助手を務めるナランシャーは「手作りが大好き。テレビを見ながら1ヶ月くらいかけて作った。今後はアクセサリーやパーツなども作りたい」と喜びを語った。

また、佳作1位は左右非対称のプリントをガの羽の形に切り抜き、半分に折って組み合わせることで、昆虫の美しさを表現した野中優。佳作2位は生き物の生命力や躍動感を表現したという日下宗隆が、それぞれ受賞した。

アジアン・クチュール・フェデレーション賞は、時計の内部構造からインスパイアされた中国の良宇(りょう・う)が選ばれた。ルームス賞は、線を重ねることで生まれる美しさをコンセプトにした井上翔哉に決まった。

審査員の高島一精は「レベルが高く、ジャンルもたくさんあり楽しめた」。岩谷俊和は「装苑賞はとてもきれい。本当にきれいだった。今回は他にもすばらしい作品がたくさんあり、とてもレベルが高かった」と評価。田山淳朗は「アピチャートさんと佳作1位の野中さんに10点満点を付けたが、3点のトータルでの評価が装苑賞につながった」、皆川 明は「ボリューム、アイデアなどは佳作1位、2位も甲乙付け難いが、装苑賞の作品は構造としての服を完成させたことが評価された」と話した。また、廣川玉枝は「複雑なテクニックを使った彫刻やアート的なものが多く感心したが、パーツを集めるのではなく、布の動きを生かしたものがあってもよかった」。三原康裕は「受賞作品は美しかったが、美しいだけではない面白さ、ファッション以外の面白さもあってもいいと思う」とアドバイスを送った。

《樋口真一》

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