三越伊勢丹発信の“クールジャパン”担うイセタン ザ・ジャパン・ストア・クアラルンプール10月オープン

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今年10月、マレーシア・クアラルンプールにオープンするスペシャリティストア「ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur」の概要が6月7日発表された。同事業は2013年に海外需要開拓支援を目的に官民ファンドとして設立されたクールジャパン機構と三越伊勢丹グループが共同出資会社をマレーシアに設立したことからスタート。これまで百貨店として運営されてきたクアラルンプール伊勢丹LOT10店を全面改装し、新店舗として再構築される。

「2年半前にクールジャパン機構が発足した翌日に大西社長にお会いして、全館丸ごとクールジャパンというような館を作れないかと相談した。その後、ASEANを回ってクアラルンプールにぴったりな店舗をお持ちだったので、このプロジェクトが実現に向かって走り出した。既に海外に“ジャパン”は沢山展開されている。我々が提案したいのは“カッコいいジャパン”。“ファッションの伊勢丹”とならそれが実現可能だと考えており、オープンに向けてワクワクしている」と株式会社クールジャパン機構の太田伸之・代表取締役社長。

1万1,000平米の売り場面積で展開される同店の環境デザインには、伊勢丹新宿本店婦人服フロアをはじめとする再開発を担当した丹下都市建築設計の丹下憲孝とグラマラスの森田恭通を起用。6層のフロアはほぼすべてメイド・イン・ジャパンの商品で構成され、各フロアを日本庭園に見立て、それぞれにテーマ性を持たせた東屋(あずまや)を配置し、回遊する形式を想定している。

「全館を日本というワンテーマで設計しており、一般的なデパートメントストアとは異なる存在。This is Japan を実践していく海外店舗として、日本の文化や様式を新しい価値として現地の人々の生活の中にインストールしていくことが重要だと考えている。そのため、従来の経産省分類とは違った展開分類で編集することで、テーマストアとしての性格を明確にした」と三越伊勢丹ホールディングス海外MD部の中川一部長が説明するように、商品分類を「雅・粋・繊・素」の4つの美意識、展開分類を「食べる・暮らす・過ごす・楽しむ・学ぶ」からなる5つの掛け合わせで編集されている。

日本の1階にあたるグランドフロアのメインエントランスには建築家・田根剛と京都の千總のコラボレーションによるインスタレーションを東屋として、全館の品揃えを象徴する4つのエレメントをインデックスとして配置。ファッションはシンガポールを拠点に活躍するクリエイター、テセウス・チャンによるストアオリジナルのライフスタイルを提案するゼネラルストアでアジアと日本のコラボを実現する。また、深川製磁、堀口切子など竹、紙、漆などの素材をラグジュアリーに編集した雑貨や、日本が誇るテクノロジーを使ったアイテムを展開。

1階はASEANのファッションピープルに向けて日本のストリート、ポップ、モードなどのカルチャーなどの情報発信基地として、マッドストア アンダーカバー、Y3、ポーター、オニツカタイガー、アンリアレイジ、アソビシステム、STRICT-G 、カラー、トーガ、N.ハリウッド、マメ、ミュベール、タロウ ホリウチ、ジョン ローレンス サリバンなどのブランドを集積。また、伊勢丹新宿本店の東京解放区の全国版、都道府県解放区「Find Japan」やTime Out Tokyoのカフェなども計画されている。

2階は日本の素材や技術を生かした日常使うアイテムを集積したライフスタイルを提案し、東京西川のAir、UCHINO、マルニ木工、NUNO、ミナペルホネンなどとともに、資生堂、コスメデコルテ、アルビオン、SK-II等の化粧品とウェルビーイング、またアジア初出店となるUKAのサロンも予定されている。

3階はセレクトブックストアや日本の文化を和空間の中で学ぶアカデミー、アニメクリエイター養成講座など座学、JTBとのコラボによるトラベルサロンなどイベント、カルチャーを軸としたフロア、4階はレストランフロア、地階は食のスタイルを提案するフード、イートインという構成。

初年度の売り上げは1200万マレーシアリンギット(約35億円)、140万人の入店客数を見込んでいる。

「2011年に経済産業省がクールジャパンの取り組みをスタートした時に、果たして我々が日本の良いモノをどれだけ理解しているかということを全社的に再確認した。クールジャパン事業は従来の営業施策のJAPAN SENSESから、企業メッセージのThis is japan へと規模を拡大し、弊社としても優先順位の高い取り組みとなる。今回のLOT10店は我々が日本を代表して、本格的に“カッコいい日本”を紹介していく最初の店舗となる。その意味でも緊張感を持って臨んでおり、その商圏はマレーシアだけではなく世界だと考えている。プロダクトはもちろんだがコトを含めて提案し、おもてなしに関しても米国で学んだ6名のスタッフがチームなでしことスタイリストを育成するなど、これまでの海外店舗とは違ったよりきめ細かい快適なサービスを心掛ける」と三越伊勢丹ホールディングスの大西洋代表取締役社長は話す。

また、9月末にクアラルンプール店に先駆けてパリ日本文化会館内に「The Japan Store ISETAN MITSUKOSHI PARIS」が、90平米の面積でオープンを予定。ストアデザインはクアラルンプール店グランドフロアでインスタレーションを行うパリ在住の建築家・田根剛が担当。同店のオープニングと企画して、三越銀座店のリモデルグランドオープン時に好評を博した「CHABAKO(茶箱)」のプレゼンテーションが計画されている。

Text: 野田達哉

《野田達哉》

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