ショコラをテーマに左官士・挾土秀平と×鎧塚シェフが新宿伊勢丹でトークイベント

Life Life

伊勢丹新宿店で27日より開催中のショコライベント「ショコラ・イセタネーション」。初日には、イベント期間の本館ウィンドーのディスプレイを手掛けた左官技能士・挾土秀平と、同じく本イベントに参加している「Toshi Yoroizuka」のオーナーシェフ鎧塚俊彦によるトークショーが開かれた。

徹夜でウィンドーを仕上げ、2時間ほどしか寝ていないという挾土さん。ラフなスタイルで登場したが、疲れというよりは安堵の表情が窺えた。「東京の顔とも呼べる場所で、左官士として新しい挑戦が出来た。よくぞ自分にディスプレイを任せてくれたものだと思う」と、率直な意見を語った。

8つのジャパニーズデザイナーブランドのルックからインスパイアしたデザートを考案した鎧塚さんは、「普段は味を最優先し、デザインなどは決めずに作り上げていくが、今回は完全にその逆パターンだった」と振り返る。

今回2人が顔をそろえたのは、ショコラのイベント。メインウィンドーを飾る大輪のカサブランカの花には、地元である飛騨のから松の落ち葉を用いて、おしべとめしべの部分にチョコレートを使った。「地方出身者として東京に対する憧れも込め、非現実的な世界観でドラマチックに仕上げた」と話す。また作品の展示販売が行われている本館5階には、監修を手掛けた『土のクレヨン』をモチーフに制作されたショコラも置かれている。

今回初めて顔を合わせたという2人だが、ジャンルは違えど同じ“職人”として、どこかシンパシーを感じてる模様。一家そろって職人ということもあり、挾土さんの昔ながらの職人気質を感じさせるところが好きだという鎧塚さん。挾土さんは鎧塚さんを、“斬新なものをパッと組み合わせてまとめられる自由な感覚の持ち主”だと言い、「とはいえ最優先は味だとハッキリ言う。職人としての根本は揺るいでいない」と評価。2人は独自の表現でユーモアを含んだトークを展開し、会場を沸かせた。

お互いの共通項について、挾土さんはそれを“水仕事”だと表現する。「日本は本来、漆も料理も左官も、すべて水が仕上げてくれる。現代の都市は乾式工法で、乾いているものを切ったり縫ったり打ったりしているだけですべて同じものが出来上がる。水式工法というのは圧倒的に失敗の可能性を伴っていてひとつ間違えると全然ダメなんだけれど、ひとつ大成功したときには僕らの力を越えた偶然の奇跡が起きる。そういう天と地の領域を持っているのが水仕事で、水に込められた一度きりの表現、というのが鎧塚さんとの共通項」と持論を展開。鎧塚さんも圧倒的な違いは後に残るものと食して消えてしまうものだと前置きする一方、タイミングが大事という点ではまったく同じだと同調した。

挾土さんが一番力を入れたと話す、交差点に面したメインウィンドー。夜はから松にオレンジの光が当たり、琥珀色のカサブランカの花が夜空に映えていっそう美しく見えるのだそう。このカサブランカのおしべとめしべはチョコレートで出来ている。異業種の2人のコラボレーションがいつか見られる日を想像しながらウィンドーを眺めると、より楽しめるに違いない。

《畑 麻衣子》

関連ニュース

特集のニュースをみる

PCサイト