地球は誰のもの?漂着ゴミが美しいプロダクトへ【NADiffオススメBOOK】

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『On the Beach 1 / On the Beach 2 ヨーガン・レール』ヨーガン・レール 小池一子
  • 『On the Beach 1 / On the Beach 2 ヨーガン・レール』ヨーガン・レール 小池一子
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各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ(NADiff)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・清澄白河の支店、ナディッフ コンテンポラリィ(東京都江東区三好4-1-1 東京都現代美術館内)です。

■『On the Beach 1 / On the Beach 2 ヨーガン・レール』ヨーガン・レール 小池一子

「美しかった日本を覚えています。もしも許されるなら、ずっとこの国で暮らしたい。」

本書の冒頭でそう綴るデザイナーのヨーガン・レールは、40年以上前に日本に移り住んでから晩年は沖縄の海辺にも家を持ち、ひと月の半分をそこで暮らしていた。愛犬と出かけた浜辺で、砂の中に埋もれるたくさんのプラスチックのゴミを目の当たりにし、心を痛めた彼は、美しいサンゴや貝殻と一緒にそれらを拾い集め、芸術的かつ実用的なものに作り替えることで、その作品を通して現状を世に訴えたいと考えた。

そうした活動を記録した本書は、“The End of Civilization(文明の終わり)”と題した文章から始まり、浜辺に漂着したビーチサンダルなどの収集の様子や、それらを使った作品の写真が収められている。石垣島の美しい自然と対峙されるように並べられたゴミの写真からは、彼のメッセージを強く感じることができる。

現在、東京都現代美術館で開催中の展覧会「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」(10月12日まで開催)では、浜辺のゴミで作ったカラフルなランプシェードや、拾ったビーチサンダル、たくさんのプラスチックゴミが混じった砂が、写真と合わせて展示されている。「自然に還元しないものは必要ない」という彼の思想がそのまま反映されている空間を、この2冊からぜひ感じてもらいたい。

東京都現代美術館で開催中の展覧会「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」では公式カタログが刊行されていないため、ヨーガン・レールの出展作品について掲載されている書籍は本書のみ。さまざまな社会問題に疲弊してしまう昨今、私たちに地球に住んでいるということを思い起こさせるのは、いま手に取るべき作品集ではないだろうか。

【書籍情報】
『On the Beach 1 / On the Beach 2 ヨーガン・レール』
著者:ヨーガン・レール 小池一子
編集、デザイン:松村秀昭
発行:HeHe
208ページ、130ページ/共にA5
発刊:2015年7月18日
価格:2,000円、1,800円

【展覧会情報】
「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1階
住所:東京都江東区三好4-1-1
会期:7月18日~10月12日
時間:10:00~18:00(※9月の金曜日は21:00まで、入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(9月21日、10月12日は開館)、7月21日、9月24日
料金:一般 1,000円
  :大学生・専門学校生・65歳以上 800円
  :中高生 600円
  :小学生以下 無料

《NADiff》

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