Mass Customization 3Dプリンティングによってマスに普及するカスタマイズ【SXSW vol.3】

Fashion Fashion

自分だけの一着をオーダー出来る「Print All Over Me」は、クリエーターにイニシアチブを高めるサービスとしても注目を集める
  • 「3D-SYSTEMS」からは、チョコレートやキャンディなどの食品も素材として使用できる3Dプリンタを発表
3Dプリンティングの出現によって、カスタマイズの概念が大きく変わろうとしている。従来、カスタマイズとは「お誂え=Made to Order」で、一人ひとりにバイ・オーダーで提供されるサービスだった。一方、マス向けの商品開発とは「one-size-fits-all」で、最大公約数を見つけることに他ならない。この相反する2つが、3Dプリンティングやデジタルという力によって、パーソナライズされたカスタマイズサービスを、マスに提供できる時代がやってきたのだ。

英国の百貨店「ジョン・ルイス(John Lewis)」では3DプリンタとRFIDを使ってシミュレーションができる、カスタムソファの売場をグランドフロアに開設した。3Dプリンタで出力したソファのミニチュア模型に張地の生地見本を合わせると、ソファに生地を張ったイメージをシミュレーション出来る。顧客はテクノロジーの力によって、このソファを手にした時のインテリアをよりリアルに想像することが可能になった。

「Print All Over Me」はカスタマイズされた自分だけの一着をオーダーできるサービスだ。アイテムを選んで、自作のテキスタイルデザインや好みのグラフィックを全面プリントしてくれるサービスで、クリエーターは自分のデジタルデザインをアップロード出来、誰かがそのデザインを使ってプリントアイテムをオーダーすると、デザインフィーが入ってくるという仕組みだ。全てのデータがダウンロードでき、複製でき、無料になっていくインターネットの世界で、クリエーターのイニシアチブを高めることができるサービスとして注目されている。

3Dプリンタ自体の進化もすごい。プラスティックのみならず、食品や陶器など、さまざまなマテリアルを扱うことのできる3Dプリンタが開発されていて、今後マスカスタマイゼーションを加速させる一つの潮流となるだろう。「3D-SYSTEM」は、3Dプリンタや3Dプリンティング用の素材などを提供する、3Dテクノロジーに特化したテクノロジーカンパニーだ。チョコレートやキャンディーなどの食品を素材として用いることのできる3Dプリンタを発表し、ハーシーズ社と共同でチョコレート専用の3Dプリンタを開発した。結果、パティシエも顔負けの立体的なデザインのチョコレートをデザインすることに成功した。

3Dプリンティングによって、私たちとモノとクリエーションとの間に、新しい関わり方が生まれ始めている。誰もが頭の中にぼんやりと思い描いていた空想のアイテムを、実際に作ることができるようになったり、どこかの誰かがデザインしたグラフィックの断片が、あなたの洋服にプリントされていたりすることが、当たり前になるかもしれない。3Dプリンタは私達の生活に新たな創造の喜びをもたらしてくれる。

>次回は、スマートフォンとデジタルがもたらすリテール・テクノロジーの未来。

《SIMONE INC. PLANNING DIV.》

関連ニュース

特集のニュースをみる

PCサイト