チームラボ猪子寿之が語る新作「Infinity of Flowers」。花々は“共生の象徴”

2014.09.14

グッチGUCCI)」を象徴する「フローラ」をモチーフに、ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ(teamLab)」が手掛けたインスタレーション作品「Infinity of Flowers」が、グッチ新宿3階イベントスペースで公開されている。

ヨーロッパ最大のバーチャルリアリティー博覧会「Laval Virtual 2012」で設計芸術文化賞を受賞、台湾の国立美術館では外国企業として初となる個展を開催、更に2014年夏には世界の現代アートシーンを牽引するニューヨークの名門ギャラリー「ペース・ギャラリー(Pace Gallery)」で大規模な個展を開催するなど、独創的な発想で生み出されるメディアアート作品が、国境を越え、海外でも高く評価されているチームラボ。

今回の作品は、イベントスペースの壁一面に、コンピュータープログラムによってリアルタイムに描かれ続ける々のインスタレーション。スクリーンに映し出された映像に人が触れると、ある花は咲き、またある花は一斉に舞い始める。やがて散り、枯れて、消えては、新たなつぼみをつけて、成長し、咲き始める。

「永遠と生まれて、永遠と散っていく花々は、鑑賞者の偶発的なふるまいの影響を受けながら、映像の中で変容し続けます。今この瞬間の絵は2度と見ることは出来ません。以前の状態が複製されることなく、まさに永遠に続く生命の物語のごとく、描かれ続けます」と記者内覧会に登場した代表の猪子寿之氏。制作にかけた時間は約3から4ヶ月。約10人のスタッフで作り上げたという。

「例えば、花はミツバチに選ばれるために、より花を咲かせます。単体では次の世代に子孫を残せないから、ミツバチに選んでもらうことによって、次の世代につないでいくわけですが、他者に選ばれる形を選ぶということは、極めて不安的であり、場合によっては、他者に負けやすい形ではないかと。でも、最終的に、地球上で圧勝しているのは花達、つまり被子植物だったりします。今確認されているもので約25万種あるといわれています。対して、裸子植物は約800種類、種子植物は約1,000種類ほど。つまり、共生関係を選んだ花の方が、繁栄したという意味で、私達は、“共生の象徴”だと思っています」(同氏)。

「花と人については、“文化的な共生関係”といえるかもしれません」と猪子氏は語る。タッチパネルと同じ仕組みになっているという作品に触れると、花の世界に入り込んだような不思議な感覚に包まれ、まさに彼の言う“共生”を存分に体感出来るだろう。

また展期間中、新宿通りに面した8mのウインドーにもチームラボによる作品が展示される。


【イベント情報】
Infinity of Flowers
会場:グッチ新宿3階イベントスペース
住所:新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル
会期:9月13日から28日
時間:11:00から20:00
入場無料
岸由利子
  • 猪子寿之氏
  • Infinity of Flowers
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