ベルリン・エシカルファッションレポート2/2--ハイファッションも環境を意識

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ドイツ・ベルリンでは7月8日から10日までの3日間に渡って、エシカルファッションの見本市が開催された。その会場は取り扱うものの方向性で二つに分けられている。一つはカジュアルなストリートファッションを見せる「エシカル ファッションショー・ベルリン」。そしてもう一つは、ビジネスやパーティー用のハイファッションを見せる「グリーンショールーム」。

グリーンショールームが開催されたのは、ブランデンブルク門近くにある高級ホテル「ホテル アドロン ケンピンスキー(Hotel Adlon Kempinski)」。煌びやかな雰囲気が漂う会場では、その雰囲気に似合うエレガントなエシカルファッションの商品が並ぶ。これらの商品を紹介するのは世界各国から集まる30を超えるブランド。会場の空間は、衣類、装飾品、鞄など多様な種類の商品によって鮮やかに彩られた。

グリーンという言葉が使われている通り、会場で目立つのは環境保護を意識したもの。オーガニックコットンなど自然素材を使用するブランドが多く見られた。こうした素材へのこだわりはハイファッションの高級感にも繋がり、エシカルファッションと違和感なく融合している。そのため会場は、ハイファッションの見本市と変わらぬ様子を見せていた。

オランダのブランド「スタジオ・エルジン・フリングハイス(studio elsien gringhuis)」も他のブランド同様、自然素材を使用して環境に配慮している。しかし、環境保護の意識は素材の原料だけに留まらず、使用した染料を再び活用するという技法にまで発展。このように素材や製作過程で環境を意識しているブランドは、同時にシンプルで美しいデザインを生み出すことに成功していた。

様々なスタイルが見られる会場で強い個性を見せていたのは、ドイツのブランド「ファラー・フロイド(Farrah Floyd)」。多くの色を使ったカラーリングに、直線やひだを多用した衣服は、強烈な存在感を見せている。直線のパターンで形成されていることから、小さな生地の断片などが生まれず、素材を無駄無く活用出来るという。環境保護の意識は衣服のフォルムとなって直接目に見えるものとなっていた。

会場にはファッションの枠組を越えたものもあった。それを見せたのはドイツのアーティスト・デュオ「ブロンド・アンド・ビーバー(Blond and Bieber)」。2人の女性アーティストは、シューズブランド「トリッペン(Trippen)」と共同で製作を行っている。コラボレーション作品の特徴的なカラーは、すべて植物の色素によって染められたもの。そのコンセプトは自然素材の可能性を身近にさせることだという。美術作品とファッションが融合し、新しいものが生まれた。

今回、様々なブランドから感じられた新しいファッションの姿。それらは従来のファッションの枠組みに収まらないからこそ様々な可能性を秘めている。つまり、美しいデザインを見せるだけでなく、デザイナーやアーティストの表現を伝える一つの手段ともなっているのだ。「グリーンショールーム」はこうしたエシカルファッションが持つ、様々な可能性を気付かせる意味で、重要な役割を果たしたと言えるだろう。

《林 清英》

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