【アンジェリーナ・ジョリー/生き方】『マレフィセント』は、子供と女性への愛のメッセージ

2014.07.05

仕事や家庭など、様々な場面で活躍する女性達の秘訣に迫るインタビュー企画「輝く女性の秘密」が始まります。第1回は、日の女性からもその生き方に絶大な支持を集める女優、アンジェリーナ・ジョリーさん。

前編では、7月5日公開の映画『マレフィセント』のジャパンプレミアのために来日した彼女にインタビュー。ディズニーアニメ『眠れる森の美女』を邪悪な妖精「マレフィセント」の視点で描いたこの作品で主役を演じた彼女の言葉からは、その生き方や哲学が浮かび上がってきます。

――『マレフィセント』という作品のどこに魅力を感じましたか?

非常に独創的な作品だと思います。主人公が悪役であることもとても珍しいこと。そして、どんなに見掛けが違っていても、またいじめを受けていても、すごく暗く落ち込んでしまっても、それを乗り越えていくことが出来る、それは愛によって達成出来るという、強いメッセージが込められています。すべての人へ受け取ってほしいですが、特に子供へ対する強いメッセージだと思っています。

それに、女性に対しても虐待を受けたり何か不正を受けたりして攻撃的になってしまったり、ネガティブになってしまったりした時に、どうやって再び女性らしさやソフトな部分を取り戻せるかということを教えてくれます。

――子供の頃からマレフィセントが好きだったそうですね。出演を決めたのもそれが理由でしたか?

(悪役なのに好きになってしまったのは)従来のディズニーのプリンセスが一面的で強さをあまり持っていなかったように感じていたからだと思います。それに、私自身とマレフィセントの間には共通点が非常に多いのです。私もかなり闘志を燃やす、戦いを挑むという面があります。私が作品を選ぶ時に一番重要視していることは、クリエーティブな面からみて、非常に大胆であることと挑戦的であること。この二つです。中間はありません。

戦うということについてですが、若い頃は自分に対しての戦いを挑むことが多かったのですが、歳を重ね、子供が出来るとその戦いが子供のためのもの、何か愛するものを守るためのものに変わって、非常に良い戦いになっていると思えるようになりました。

私とマレフィセントとのもう一つの共通点は、子供によって愛によって目覚めるという体験をしたということです。マレフィセントは始め、怒りによって力を出していましたが、徐々に愛情とか誰かを守りたいという気持ちや母性から来る力の方が怒りや憎しみから来る力より勝っていきます。彼女の力が母性から来る力を見せるシーンはとても感動的。これら両方の力は誰もが持っているもので、その上でどんな力を使うか選択を行って私達は生きている。そうやって選択をしながら、本当の強さというものを身に付けて行くのだと思います。

――ご自身とお子さんとの関係は、作品の中にも影響を与えましたか?

幼いオーロラ姫が「up up!(だっこだっこ!)」と言いながら駆け寄って来たシーンでは、マドックス(アンジーの長男)が初めて私の元へ来たときのことを思い出しました。子供って無条件の愛を与えてくれますよね。その時私(マレフィセントも含めて)は、そういうものが自分に与えられるということを一切感じていない、どうしていいか分からないという気持ちで、感情をどう表してよいのか分からなくなってしまいます。(世界で)一番恐ろしい存在である彼女が、あんなに小さな子供を怖がるシーンというのは面白いでしょう?

本作では、子供達のためにより自分のおかしな部分や色物的な要素を出したりしました。私の子供達も毎日現場に来ていて、声色は彼ら達が決めてくれたのです。目(のメイク)も、セットや衣装を決める時にも彼らに承認を得て。彼らと一緒に作り上げた役です。

後編「アンジー流着こなし哲学を解剖」では、そんなアンジーのファッションを紐解きます。
編集部
  • アンジェリーナ・ジョリーさん
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  • 映画『マレフィセント』のジャパンプレミアでのエル・ファニングさんとアンジェリーナ・ジョリーさん
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