【SXSW-2/2】ファッションのイット・ガールはウェアラブルデバイス

2014.04.06

グーグルが開発中の眼鏡型ウェアラブルコンピューター「グーグル・グラスGoogle glass)」が注目を浴び、2013年のSXSWでもバズワードだったウェアラブルデバイスは今年のセッションでもトレードショーでも注目を浴びていた。

ウェアラブルデバイスのセッションの一つでは、眼鏡型デバイス「テレパシー(Telepathy)」CEOの井口尊仁氏、指輪型デバイス「リングリー(Ringly)」CEOのクリスティーナ・メルカンド氏、サイバーイリュージョニストのマルコ・テンペスト氏らが登壇し、今後ますます拡大しファッション業界でも注目されるアイテムの今とこれからについて話を聞くことができた。

腕時計型、指輪型、眼鏡型など様々なデバイスが開発されているが、その形である意味やそのデバイスがコミュニケーションにもたらす価値を各社が模索している。ファッションとして身につけたいデザインと、技術面の進化がこれからの課題だ。指輪型などの小さいデバイスでも長時間稼働できる小型バッテリーの開発や、デザイン性の高い商品を作るためのファッションデザイナーなど他業種とのコラボレーションも必要となってくるだろう。

Telepathyの井口氏は、「デジタルデバイスは今よりもっと直感的で、人間のコミュニケーションの延長線上にあるような状態にならなければならない。Google Glassのようにデバイスを操作するために『OK,Glass.』と言わなければならないようではまだダメ」の一言で会場を沸かせた。

Ringlyのメルカンド氏は、「デバイスとしての価値を優先し、身につけられることを後回しに考える“デバイス・ファースト、ウェアラブル・セカンド”の考え方で進む商品開発には疑問がある。Ringlyはファッション、身につける物としてまず素敵であること。若者にも愛されるデザインを追及していきたい」と言及した。

指輪型のウェアラブルデバイスについては、トレードショーにも多数出品されていたが、日からも有力なスタートアップ「リング(Ring)」が注目を集めていた。Ringはアメリカクラウドファンディングサイト・KICKSTARTERでも大成功をおさめた指輪型のデバイスで、Ringを着けた指のジェスチャーで、スマートホンの機能を拡張したり、照明や家電の操作を行うことができる。トレードショーでも多くの人が足を止め、デモンストレーションに見入っていた。

「持つ」から「身に着ける」へ変化を遂げ、新しいコミュニケーションを生み出そうとしているウェアラブルデバイス。機能性とデザイン性の両面で、実用化に向けては様々な壁が立ちはだかるが、ウェアラブルデバイスがファッションビジネスの「イット・ガール」になる日が来るに違いない。

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編集部
  • 日本からトレードショーに出展した指輪型デバイス「リング」
  • 日本からトレードショーに出展した指輪型デバイス「リング」
  • トレードショーの会場内
  • トレードショーが開催されたコンベンションセンターの入口
  • 井口尊仁氏(左)クリスティーナ・メルカンド氏(中央)・マルコ・テンペスト氏(右)
  • 指輪型デバイス「リングリー」
  • 指輪型デバイス「リングリー」
  • オースティンのダウンタウンの様子
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